cannot + 完了形(have p.p.)

cannot(助動詞) + 完了形「~だったはずはない」
について解説します。

「助動詞 + 完了形」とは、
助動詞の後ろに現在完了形「have + 過去分詞」を置いた
「cannot + have + 過去分詞」などのことです。

助動詞の後ろは動詞の原形なので、
現在完了形「have + 過去分詞」のみが付きます。

過去完了形「had + 過去分詞」を置くことはできません。

なぜこのような形を用いるのかについて、
ここではcannot「~のはずはない」を使って解説していきます。

まず、cannotのみを用いた以下の文をみてみましょう。

He cannot be rich.
「彼は、お金持ちのはずはない。」

この文には、主に2人の人が関わっています。

1人はお金持ちだと推測されている「彼」、
もう1人はこの文を言っている「話し手」です。

そして、この文で話し手は彼が「今」お金持ちであることを
「今」そんなはずはないと推測しています。

まとめると、彼の「今」の状態を、話し手は「今」推測しています。

次に、以下の日本語の文を考えてみましょう。

「彼は、お金持ちだったはずはない。」

今度は、少し違います。

この文は話し手が「今」推測しているという部分は同じですが、
話し手は彼が「過去のある時点」でお金持ちだったということを
推測しています。

まとめると、彼の「過去」の状態を、話し手は「今」推測しています。

これを、1つずつ英文に書き換えてみましょう。

まず、「彼はお金持ちだった。」はHe was rich.です。

そして、「彼は~のはずがない。」はHe cannot ~ です。

He cannot ~ の~の部分にHe was richを入れれば、
「彼は、お金持ちだったはずはない」という文になります。

助動詞の後ろは動詞の原形なので、
普通に考えると以下のようになります。

He cannot be rich.

ところが、これでは「彼は、お金持ちのはずがない。」
という彼の「今」の状態を話し手が「今」推測している
最初の例文と同じになってしまいます。

また、彼の「過去」の状態を表したいからといって、
助動詞の後ろは動詞の原形でHe cannotの後ろにwasを置き、
以下のようにすることもできません。

He cannot was rich.

このように、助動詞の後ろには動詞の原形しか置けず、
過去形は使えないのでその代わりに現在完了形を用います。

よって、「彼は、お金持ちだったはずがない。」の英文は、
cannotの後ろに「have + 過去分詞」を置いて以下のようになります。

He cannot have been rich.
「彼は、お金持ちだったはずがない。」

この文で用いられている(現在)完了形は、
cannotの部分の「現在」という時に対して1つ古い時
(この場合は「過去」)を表しています。

本来の継続、経験、完了(結果)という
意味ではないので注意しましょう。

cannot have + 過去分詞「~だったはずがない」は、
「過去」の状態や動作を話し手が「今」推測していることを表します。

「助動詞 + 完了形」の形を作る助動詞で覚えるべきものは、
cannotの他に5個しかないので形と意味を丸暗記することもできます。

しかし、ここで解説した「have + 過去分詞」を用いる考え方は
不定詞や動名詞など他の文法を勉強するときにも必要になるので、
しっかり覚えておきましょう。

cannot + 完了形(have p.p.)の復習問題

問題.以下の文を日本語に訳しなさい。

(1)She cannot be a singer.

(2)She cannot have been a singer.

(3)Ken cannot have bought a new car.

答えは

 ↓ 

 ↓ 

 ↓ 

 ↓ 

 ↓ 

 ↓ 

 ↓ 

【解答】

(1)「彼女が、歌手のはずがない。」

(2)「彼女が、歌手だったはずがない。」

(3)「ケンが、新しい車を買ったはずがない。」

(1)は「今」彼女の状態、
(2)は「過去のある時点」の彼女の状態、
(3)は「過去のある時点」のケンの動作を
「今」話し手が推測しています。

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