不定詞の意味上の主語

不定詞の意味上の主語の使い方と、
forとofの違いや使い分けについて
例文を用いて解説します。

目次

以下の形式主語itを用いた
例文をみてみましょう。

It is dangerous to swim in this river.
「この川で泳ぐことは、危険です。」


この文の本当の主語は
to swim in this river.
「この川で泳ぐことは」ですが、

主語が長いため形式主語のItを用い
真主語のto swim in this riverを
文末に置いています。


そして、この文では川で泳ぐことが
誰にとって危険かは特定されておらず、
一般的な人にとって危険となります。

このように、不定詞の動作主が
一般の人の場合には意味上の主語を
あえて示す必要はありません。


ところが、例えば子供達がこの川で
泳ぐことが危険だと言いたい時には、

for childrenというfor+名詞の形を
不定詞の前に置きます。

It is dangerous for children to swim in this river.
「子供達がこの川で泳ぐことは、危険です。」


この場合、for childrenは
to不定詞のto swim「泳ぐこと」を
誰がするのかという主語を表すので、

不定詞の意味上の主語と呼ばれます。


上の例文では、「子供達が泳ぐ」
という関係が成り立っています。


そして、「彼らが」のように
forの後ろに代名詞が置かれる場合は、

以下のように不定詞の意味上の主語は
for themと代名詞の目的格を置きます。

It is dangerous for them to swim in this river.
「彼らがこの川で泳ぐことは、危険です。」


このように不定詞の意味上の主語は、
形式主語itを用いた文と組み合わせて
よく用いられます。


よって、It is … for+名詞または
代名詞の目的格 to不定詞という形で、

「○が~することは…です。」という
意味になると覚えると便利です。


不定詞の意味上の主語は多くの場合
for+名詞または代名詞の目的格ですが、

of+名詞または代名詞の目的格で表すことも
あるので以下にforとの違いを解説します。


不定詞の意味上の主語は、
以下のようにfor+名詞または
代名詞の目的格で表されます。

It is difficult for Ken to pass the exam.
「健がその試験に合格することは、難しい。」

It is difficult for him to pass the exam.
「彼がその試験に合格することは、難しい。」


ところが、of+名詞または代名詞の目的格で
不定詞の意味上の主語を表す場合があります。


それは、形式主語itを用いた
it is … to ~ 構文で…の部分に、

kind「親切な」など、人の性質を表す
形容詞が置かれている場合です。


以下の例文をみてみましょう。

It is kind of you to help me.
「私を助けてくれるとは、あなたは親切です。」


この文では、it isの後ろに
「親切な」という人の性質を表す
形容詞kindが置かれているので、

to不定詞のto helpの意味上の主語は
of youとofを用いて表します。


そして、It is … of+名詞または
代名詞の目的格 to不定詞という形で、

「~するとは、○は…です。」という
意味になると覚えると便利です。


人の性質を現す形容詞は
他に以下のようなものがあり、

これらがIt is … to ~ 構文の
…に置かれている時、不定詞の
意味上の主語はofを用いて表します。


・brave「勇敢な」

It was brave of him to do it.
「それをするとは、彼は勇敢でした。」


・careless「不注意な」

It was careless of him to forget it.
「それを忘れるとは、彼は不注意だった。」


・wise「賢い」clever「頭がいい」

It is wise(clever)of him to solve the question.
「その問題が解けるとは、彼は賢い(頭がいい)。」


人の性質を表す形容詞には他に、
以下のようなものがあります。


人の性質を表す形容詞

stern「厳しい」
strict「厳しい」
rigorous「厳格な」

gentle「優しい」
tolerant「寛容な 」
genial「愛想のよい 」

gracious「上品な」
cleanly「綺麗好きな」
generous「気前がいい」

keen「熱心な」
eager「熱心な」
diligent「勤勉な」
passionate「情熱的な」

frank「率直な」
honest「正直な」
amiable「愛想の良い」
curious「好奇心旺盛な」

humble「謙遜な」
reserved「控えめな」
moderate「節度のある」

merciful「慈悲深い」
admirable「感心な」
broad-minded「心の広い」
affectionate「愛情深い」

respectful「丁重な」
reverent「うやうやしい」
deferential「敬意を表する」

polite「礼儀正しい」
courteous「礼儀正しい」
punctual「時間に正確な」
decent「きちんとしている」

thoughtful「思いやりのある」
considerate「思いやりのある」
sympathetic「思いやりのある」


不定詞の意味上の主語という考え方は
名詞的用法で用いられることが多いですが、

以下では副詞的用法と形容詞的用法の
意味上の主語についても解説します。


ここまではto不定詞の名詞的用法の
意味上の主語について解説しましたが、

ここからはto不定詞の副詞的用法の
意味上の主語について解説します。


以下の例文をみてみましょう。

I opened the door to come in this room.
「私は、この部屋に入ってこれるようにそのドアを開けた。」


この文でto come in this roomは、

「この部屋に入ってこれるように」
→「開けた」と動詞のopenedを修飾
しているto不定詞の副詞的用法です。


ところが、誰が入ってこれるように
ドアを開けたのかが分かりません。


そこで、不定詞の意味上の主語
for+名詞または代名詞の目的格を
to不定詞の前に置くことで、

to不定詞の動作主を表します。


例えば、以下のようにfor childrenを
to come in this roomの前に置いて、

「子供達がこの部屋に入ってこれるように」
という意味になります。

I opened the door for children to come in this room.
「私は、子供達がこの部屋に入ってこれるようにそのドアを開けた。」


このように、to不定詞の副詞的用法の
意味上の主語は、for+名詞または代名詞
の目的格をto不定詞の前に置きます。


to不定詞の形容詞的用法の
意味上の主語は、名詞を修飾する場合と
第5文型で補語Cになる場合があります。


名詞を修飾する場合

以下の例文をみてみましょう。

I have many friends to speak English.
「私は、英語を話すたくさんの友達を持っています。」


この文でto不定詞のto speak Englishは、

「英語を話せる」→「たくさんの友達」と
many friendsという名詞を修飾している
形容詞的用法です。


to speak Englishの動作主は
many friendsなので、この場合、

many friendsがto speak Englishの
意味上の主語ということになります。


第5文型で補語Cになる場合

以下の例文をみてみましょう。

I told him to go there.
「私は、彼にそこへ行くように言った。」


この文はS:I、V:told、O:him、
C:to speak Englishの第5文型で、

to不定詞のto speak Englishはhim
の動作を表す形容詞的用法です。


よって、逆に考えるとhimは
to speak Englishの動作主を表し、
不定詞の意味上の主語になります。


ただ、to不定詞の形容詞的用法は
特に意味上の主語を考える必要はなく、

to+動詞の原形が名詞を修飾する場合と
補語Cになる場合があるということを
知っておけば大丈夫です。

不定詞の意味上の主語forとofの問題

問題.以下の文を()内の意味上の主語
   を加えた文に書き換えなさい。

(1)It is good to study English.(children)

(2)It is impossible to get married to her.(him)

  ※get married to ~「~と結婚する」

(3)It is careless to do such a thing.(Ken)

  ※such a thing「そのようなこと」

(4)It is wise to pass the text.(her friend)


答えはこの下にあります。

練習問題の解答

(1)It is good for children to study English.
 「子供達が英語を勉強することは、良いことです。」

(2)It is impossible for him to get married to her.
 「彼が彼女と結婚することは、不可能です。」

(3)It is careless of Ken to do such a thing.
 「そのようなことをするとは、ケンは不注意だ。」

(4)It is wise of her friend to pass the text.
 「そのテストに合格するとは、彼女の友達は賢い。」


(3)と(4)は人の性質を現す形容詞
carelessとwiseが用いられているので、
不定詞の意味上の主語はofで表します。

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