形式目的語itの構文
形式目的語it+to不定詞の構文と
使う頻度が高いfind、make、think、
形式目的語it+that節の構文について
例文を用いて解説します。
形式目的語it+to不定詞の構文
形式目的語とは何か?の前に、
まずは目的語の復習をします。
目的語とは?
目的語とは動詞(動作)の目的を表し、
動詞の後ろに置き日本語で「~を」や
「~に」という意味になるものです。
例えば以下の文でa bookは、
I found a book.
「私は、本を見つけた。」
found「見つけた」に対して
「何を」見つけたのかを表し、
foundの目的語となっています。
foundは「見つける」「気づく」
という意味を持つfindの過去形ですが、
以下のようにfindは「OがCだと気づく」
という文も作ります。
I found the English book easy.
「私は、その英語の本が簡単だと気づいた。」
この文は、、S:I V:found
O:the English book C:easy
という第5文型(SVOC)で、
the English bookは目的語Oで、
easyは目的語のthe English bookを
説明する補語(目的格補語C)です。
形式目的語it+to不定詞の文の作り方
そして、以下のように
第5文型の目的語の位置に
to不定詞が置かれることがあります。
I found to read the English book easy.
「私は、その英語の本を読むことが簡単だと気づいた。」
この文では目的語の
to read the English bookが長く、
easy「簡単な」という結論が
最後に置かれています。
形式主語itのところでも解説しましたが、
英語はeasyという結論を先に伝える構造
をとるため形式目的語のitを用います。
よって、to read the English bookを
形式目的語のitに置き換え、以下のように
本当の目的語(真目的語)は文末に付けます。
I found it easy to read the English book.
「私は、その英語の本を読むことが簡単だと気づいた。」
この文は、S:I V:found
O:to read the English book
C:easyの第5文型です。
find・make・think it to不定詞
形式目的語は見慣れていないため、
最初は難しいと感じるかもしれません。
しかし、形式目的語itを用いる文を
作る動詞は以下のfind、think、make
を覚えておけば大丈夫です。
S find it C to ~
S find it C to ~ で、
「Sは、~することがCだと気づく」
という意味になります。
I found it dangerous to swim in this river.
「私は、この川で泳ぐことが危険だと気づいた。」
この文は、S:I V:found
O:to swim in this river
C:dangerousの第5文型です。
S make it C to ~
S make it C to ~ で、
「Sは、~することをCとする」
という意味になります。
I make it a rule to get up early.
「私は、早起きをすることをルールとします。」
→「私は、早起きをするようにしています。」
この文は、S:I V:make
O:to get up early C:a rule
の第5文型です。
これらfind、make、thinkと
形式目的語itを用いた3つの形は、
熟語のように覚えてしまいましょう。
S think it C to ~
S think it C to ~ で、
「Sは、~することがCだと思う」
という意味になります。
I think it difficult to write a letter in English.
「私は、英語で手紙を書くことが難しいと思います。」
この文は、S:I V:think
O:to write a letter in English
C:difficultの第5文型です。
形式目的語it+that節の構文
目的語にthat節がくる場合も、
形式目的語itが用いられます。
以下の例文をみてみましょう。
She found that he was a famous singer true.
「彼女は、彼が有名な歌手であることが本当だと気づいた。」
この文は、S:She V:found
O:that he was a famous singer
C:trueの第5文型ですが、
that he was a famous singer
という目的語が長いためtrueという
結論が最後にきています。
そこで、形式目的語itを用い、
that he was a famous singerを
文の最後に置いて以下のようにします。
She found it true that he was a famous singer.
「彼女は、彼が有名な歌手であることが本当だと気づいた。」
このような文の形にすることで、
結論のtrueを先に言うことができます。
形式目的語it+that節の構文も
以下のように形と意味を覚えておくと、
使う時や訳す時に便利です。
・S find it C that ~
「Sは~ということがCだと気づく」
以下は、例文です。
I found it dangerous that children swim in this river.
「私は、子供達がこの川で泳ぐことが危険だと気づいた。」
この文は、S:I V:found
O:that children swim in this river
C:dangerousの第5文型です。
・S make it C that ~
「Sは~ということをCとする」
以下は、例文です。
I make it a rule that I don't say my opinion in front of my boss.
「私は、上司の前では自分の意見を言わないことにしています。」
・S think it C that ~
「Sは~ということはCだと思う」
以下は、例文です。
I think it possible that he passes the test.
「私は、彼がそのテストに合格することは可能だと思う。」
日常英会話では短い文で言う
書く時は考える時間があるので
形式目的語を用いた文を作れますが、
日常会話で話している時に
形式目的語itを用いた長い文を
瞬時に作って言うのは大変です。
そこで、例えば以下の文なら
She found it true that he was a famous singer.
「彼女は、彼が有名な歌手であることが本当だと気づいた。」
以下のようにしても同じような
ことを伝えることができます。
She found that he was a famous singer.
「彼女は、彼が有名な歌手であると気づいた。」
この英文は、S:She V:found
O:that he was a famous singer
の第3文型です。
次に、以下の例文は、
I think it possible that he passes the test.
「私は、彼がそのテストに合格することは可能だと思う。」
以下のようにしても同じような
ことを伝えることができます。
He can pass the test.
「彼は、そのテストに合格することができる。」
この英文は、S:He V:can pass
O:the testの第3文型で、
この文で用いられているcanは
「~することが可能である」と
可性の意味を表しています。
最後に、以下の例文は、
I make it a rule that I don't say my opinion in front of my boss.
「私は、上司の前では自分の意見を言わないことにしています。」
以下のようにしても同じような
ことを伝えることができます。
I don't say my opinion in front of my boss.
「私は、上司の前で自分の意見を言いません。」
この英文は、S:I V:don't say
O:my opinionの第3文型で、
in front of my bossは
「上司の前で」→「言いません」と
動詞のdon't sayを修飾している副詞です。
このように、形式目的語を用いた第5文型
の長文を作って言わなくても日常会話では、
第1文型、第2文型、第3文型の短い文で
言いたいことを伝えることはできます。
形式主語itの使い方については、
以下で解説しています。
形式目的語it+to不定詞の問題
問題.以下の形式目的語itを用いた
英文を日本語に訳しなさい。
(1)They found it impossible to master English for a month.
※impossble「不可能な」
(2)We thought it fun to go skiing with them.
※go skiing「スキーに行く」
(3)He makes it a rule to study English everday.
答えはこの下にあります。
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練習問題の解答
(1)「彼らは、1ヶ月で英語をマスターすることが不可能だと気づいた。」
(2)「私達は、彼らと一緒にスキーに行くことが楽しいと思いました。」
(3)「彼は、毎日英語を勉強するようにしています。」
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