時制が違う完了形の分詞構文
2つの文の時制が違う完了形の
分詞構文「having+過去分詞」について
例文を用いて解説します。
完了形の分詞構文:過去形と現在形
まず、以下の接続詞を用いた
文をみてみましょう。
As I finished the work,
I am satisfied now.
「私はその仕事を終えたので、
今満足しています。」
この文では接続詞Asに付いた文の
時制が過去(finished)、後ろの文の時制が
現在(am)と2つの文の時制が異なります。
2つの文の時制が違うとは
接続詞に付いている文の時制が
分詞構文に書き換える手順はこの場合
以下のようになります。
1.接続詞を消す。
2.主語が同じ場合は消す。
3.動詞をHaving+過去分詞の形にする。
ここで、Having+過去分詞という形
を用いる理由について解説します。
As I finished the work,
I am satisfied now.
この文でfinishedをfinishingにすると
I amという文の時制と同じ現在になり、
finishedと過去であることを表せません。
また、過去だということを表したい
からといって、過去形のfinishedに
ingを付けることもできません。
そこで、I am ~ という文の
時制(現在)より1つ古い時制
(この場合は過去)を表すために、
having+過去分詞という形を用います。
実際に、上の例文を分詞構文に
書き換えてみると、AsとIを消し、
finishedの部分はHaving finishedとなり、
分詞構文は以下のような文になります。
Having finished the work,
I am satisfied now.
接続詞に付いた文のみを書き換えるので、
後ろの文はそのままです。
時制が1つ古いという組み合わせは、
他に過去と現在の他に現在完了と現在、
過去完了と過去があります。
完了形の分詞構文:現在完了形と現在形
例えば、以下の文は接続詞に
付いた文に現在完了形(have lived)、
もう1つの文には現在形(can)が
用いられています。
As I have lived in America for ten years,
I can speak English.
「10年間アメリカに住んでいるので、
私は英語を話せます。」
現在完了形は過去を含むので、
現在形より1つ古い時制と考えます。
よって、この文を分詞構文に書き換えると
以下のようになります。
Having lived in America for ten years,
I can speak English.
右側の文の時制(現在)より1つ古い
現在完了形であることを表すために、
分詞はHaving livedという形になります。
完了形の分詞構文:過去完了形と過去形
最後に、過去完了形と過去形が用いられた
以下の文をみてみましょう。
Though I had met her,
I didn't notice her at the party.
「私は彼女に会ったことがあったけれど、
パーティーで彼女に気づかなかった。」
過去完了形は過去より
前の時と過去が繋がっているので、
過去形より1つ古い時制と考えます。
よって、上の文を分詞構文に書き換えると
以下のようになります。
Having met her,
I didn't notice her at the party.
右側の文の時制(過去)より1つ古い
過去完了形であることを表すために、
分詞はHaving metという形になります。
完了形と否定の分詞構文の組み合わせ
否定の分詞構文「not・never+ing」
と、時制が違う完了形の分詞構文
「having+過去分詞」の組み合わせは、
以下の例文のように
「not・never+having+過去分詞」
という形になります。
Not having finished the work,
he has to do work overtime.
「その仕事を終えなかったので、
彼は残業をしなければならない。」
Never having cooked,
she can't cook.
「1度も料理をしたことながないので、
彼女は料理をすることができません。」
否定の分詞構文については、
以下で詳しく解説しています。
時制が違う完了形の分詞構文の問題
問題.以下の文を分詞構文に
書き換えなさい。
(1)Though she was fat five years ago,
she is very beautiful now.
(2)As he has been to France twice,
he knows about paris well.
(3)Though she had wanted it,
she couldn't afford to buy it.
※couldn't afford to ~
「~する余裕がなかった」
答えはこの下にあります。
↓
↓
↓
↓
↓
練習問題の解答
(1)Having been fat five years ago,
she is very beautiful now.
「彼女は5年前太っていたけれども、
今は美人だ。」
(2)Having been to France twice,
he knows about paris well.
「フランスに2回行ったことがあるので、
彼はパリについてよく知っています。」
(3)Having wanted it,
she couldn't afford to buy it.
「ずっとそれを欲しかったけれども、
彼女は買う余裕はありませんでした。」
分詞構文のまとめ無料レポート
以下は分詞構文の作り方と訳し方、
独立分詞構文、受動態の分詞構文、
完了形の分詞構文、慣用表現などを
1ページにまとめた無料レポートです。
他にも、無料レポートには主要
英文法の解説を各単元2~3ページ、
合計27ページにまとめてあるので
英文法の学習に役立てて下さい。