byを使わない受動態
ここでは、受動態でbyの省略と、
byを使わない受動態の一覧と使い方
について例文を用いて解説します。
byを付ける受動態の復習
受動態は、「BはAによって~される」
というように動作を受ける人やものを
主語にした表現です。
受動態は動詞の形が
「be動詞+過去分詞」となり、
意味は「~される」や
「~された」となります。
これに対し、以下の文のように、
「AはBを~する」と動作を行う人や
ものを主語にした表現は能動態です。
He closed the door.
「彼は、そのドアを閉めた。」
そして、この能動態の文を受動態の文
に書き換えると以下のようになります。
The door was closed by him.
「そのドアは、彼によって閉められた。」
受動態では動作を受けている
(この場合閉められた)The door
「そのドア」が主語になります。
そして、ドアを開けた
動作主(He「彼」)は、
by+(代)名詞の目的格
「~によって」をbe動詞+過去分詞
の後ろに置いて表します。
上の文では、動作主をby him
「彼に(よって)」という形で
表しています。
byを使わない受動態(byの省略)
ところが、以下の3つの場合には
動作主を表す「by ~」は省略されます。
1.動作主が明らかな場合
2.動作主が分からない場合
3.動作主が一般の人の場合
byを使わない受動態1
まず、1の動作を行うものや人が
明らかな場合について解説します。
以下の能動態の文をみてみましょう。
He broke the chair yesterday.
「彼が、昨日その椅子を壊しました。」
もし椅子を壊したのが彼だと
明らかに分かっている場合、
この文を受動態の文に書き換えると
以下のようになります。
The chair was broken yesterday.
「その椅子は、昨日壊されました。」
このように話しの流れで
彼が壊したことは明らかで、
聞き手が誰が壊したのか
言わなくても分かる場合には
動作主by him「彼によって」
は省略されます。
byを使わない受動態2
次に、2の誰によってされたのか
分からない場合について解説します。
以下の能動態の文をみてみましょう。
They built the building 10 years ago.
「彼らは、10年前にそのビルを建てた。」
そして、この能動態の文を受動態の文
に書き換えると以下のようになります。
The building was built 10 years ago.
「そのビルは、10年前に建てられた。」
10年前のことで誰によって
建てられたか分からない場合、
このように動作主のby them
「彼らによって」を省略します。
byを使わない受動態3
最後に、3の動作を行う人が
一般の人の場合について解説します。
以下の能動態の文をみてみましょう。
They speak English in America.
「彼らは、アメリカで英語を話します。」
そして、この能動態の文を受動態の文
に書き換えると以下のようになります。
English is spoken in America.
「英語は、アメリカで話されています。」
この場合「彼ら」はアメリカ
に住んでいる一般の人なので、
受動態の文でby themは省略します。
この場合、アメリカに
住んでいる人によって英語が
話されていることは明らかなので、
by themが省略されると
考えることもできます。
byを使わない受動態の一覧
byを使わない受動態には、
以下のように、熟語のように
覚えてしまったほうが良いもの
があります。
- be known to ~「に知られている」
- be covered with ~「で覆われている」
- be filled with ~「~でいっぱいです」
- be caught in ~「~に降られる」
また、以下のように受動態の形で
能動態の意味を持つものもあります。
- be surprised at ~「~に驚く」
- be satisfied with ~「に満足する」
- be interested in ~「に興味がある」
- be excited about ~「~に興奮する」
- be pleased with ~「~に喜んでいる」
- be worried about ~「~を心配する」
- be shocked at ~「~にショックを受ける」
- be disappointed at ~「~にがっかりする」
以下では、この一覧でご紹介した
byを使わない受動態の使い方について
例文を用いて解説しています。
byを使わない受動態の問題
問題.以下の能動態の文を受動態の文
に書き換えなさい。
(1)We ate the cake yesterday.
※ateはeat「食べる」の過去形、
過去分詞はeaten
(2)They built the house 20 years ago.
(3)We speak Japanese in Japan.
答えはこの下にあります。
↓
↓
↓
↓
↓
練習問題の解答
(1)The cake was eaten yesteday.
「そのケーキは、昨日食べられた。」
(2)The house was built 20 years ago.
「その家は、20年前に建てられてた。」
(3)Japanese is spoken in Japan.
「日本語は、日本で話されています。」
(1)は動作主が明らか、
(2)は動作主が全く分からない、
(3)は動作主が日本にいる一般の人なので
by+動作主を省略します。
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