動名詞の完了形(過去形)
動名詞の過去形はないので、
過去形はhaving+過去分詞という
完了形の形を用いて表します。
ここでは、動名詞の完了形について
例文を用いて解説します。
動名詞の完了形の形と意味
動名詞の完了形の形は、
動名詞「動詞のing形」と
現在完了形「have+過去分詞」を
合わせて「having+過去分詞」です。
そして、動名詞の完了形の意味は、
通常の動名詞の「~すること」に対し
「~したこと」となります。
動名詞の完了形の例文と使い方
動名詞の完了形は、「~したこと」
という意味で過去形と似ていますが、
常に過去形を表す訳ではありません。
そこで、以下に例文を用いて
動名詞の完了形having+過去分詞の
4つの使い方について解説します。
主節が現在で前置詞の後ろも現在
まず、以下の書き換えをみてみましょう。
I am ashamed that I am late for school.
「私は、学校に遅刻することを恥じています。」
このI am ashamed that
の部分をI am ashamed ofと、
前置詞ofを用いた表現に変えると
以下のようになります。
I am ashamed of being late for school.
「私は、学校に遅刻することを恥じています。」
前置詞の後ろに節(主語+
動詞からなる文)は置けず、
動名詞(この場合being)を
置かなければなりません。
この時、上の文では
主節(I am)の時制と
that節(that I am)の
時制が共に現在と同じなので、
that節中のamをそのまま
動名詞のbeingに変えます。
主節が現在で前置詞の後ろは過去
次に、以下の文をI am ashamed of ~
を用いた表現に書き換えてみましょう。
I am ashamed that I was late for school.
「私は、学校に遅刻したことを恥じています。」
この場合、前置詞ofの後ろだから
wasを動名詞のbeingに変えると間違いです。
それは、主節の時制(I am)が
現在であるのに対し、that節(I was)
の時制が過去と1つ古いからです。
I am ashamed of being late for school.
この文のように通常の
動名詞beingを用いると、
この部分の時制は主節の時制(現在)
と同じ現在になってしまいます。
そこで、主節(I am)の現在より
動名詞の部分(of ~)が1つ古い
時制の過去であることを表すために、
動名詞の完了形「having + 過去分詞」
の形を用います。
よって、I am ashamed of ~ を用いて
書き換えた文は以下のようになります。
I am ashamed of having been late for school.
「私は、学校に遅刻したことを恥じています。」
この文は、「過去」のことを
「現在」恥じていることを表します。
ここで1つ注意が必要です。
動名詞の完了形は単に過去のことではなく、
主節の時制より1つ古い時制を表します。
主節が過去で前置詞の後ろも過去
今度は、以下の文をI am ashamed of ~
の文に書き換えてみましょう。
I was ashamed that I was late for school.
「私は、学校に遅刻することを恥じていました。」
この文では、that節の
時制(I was)が過去ですが、
主節の時制(I was)も過去と
同じ時制です。
よって、I am ashamed ofの文に
書き換える時、ofの後ろは動名詞の
beingを用いて以下のようになります。
I was ashamed of being late for school.
「私は、学校に遅刻することを恥じていました。」
この文は、「過去のある時点」で
遅刻したことを同じ「過去の時点」で
恥じていたという意味です。
主節が過去で前置詞の後ろは大過去
最後に、以下の文をI was ashamed of ~
の文に書き換えてみましょう。
I was ashamed that I had been late for school.
「私は、学校に遅刻したことを恥じていました。」
この文は、主節の時制が過去で、
that節の時制は大過去と主節の時制より
that節の時制が1つ古くなっています。
一週間前に遅刻したことを昨日
恥ずかしく思っていたという状況です。
この場合には、I am ashamed of
の文に書き換える時、ofの後ろは、
通常の動名詞ではなく動名詞の完了形
having beenを用いて以下のようになります。
I was ashamed of having been late for school.
「私は、学校に遅刻したことを恥じていました。」
このように、動名詞の完了形は
主節の時制より1つ古い時制を現し、
意味は「~したこと」となります。
以下では、動名詞の否定形や受動態
について例文を用いて解説しています。
動名詞の完了形の問題
問題.以下の文を()内の表現を
用いて書き換えなさい。
(1)He insists that he paid money.
(insist on)
(2)I'm proud that I won the game.
(be proud of)
(3)He insisted that he had paid money.
(insist on)
(4)I was proud that I had won the game.
(be proud of)
答えはこの下にあります。
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練習問題の解答
(1)He insists on having paid money.
「彼は、お金を払ったと主張している。」
insistsが現在でonの後ろも現在なので、
普通の動名詞havingを用います。
(2)I'm proud of having won the game.
「私は、その試合に勝ったことを誇りに思っている。」
amが現在でofの後ろは過去なので、
動名詞の完了形having wonを用います。
(3)He insisted on having paid money.
「彼は、お金を払ったと主張した。」
insistedが過去でonの後ろは大過去なので、
動名詞の完了形having paidを用います。
(4)I was proud of having won the game.
「私は、その試合に勝ったことを誇りに思った。」
wasが過去でofの後ろは大過去なので、
動名詞の完了形having wonを用います。
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